- 法律雑学 - ものごとの根拠を探ります.                   (やっしー)
by yoridocoro
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年齢計算

歳を取るのはいつか、の話をもう少ししたいと思います。

先に、忙しい人のための要点。
・人がハタチになる日は、生まれてから20年後の誕生日の前日だけれども、その誕生日前日のお昼どきに「もうハタチだからお酒飲んでいいか」というと×で、その時点で見ればまだ20歳にはなっていない。
・ハタチになるのは、生まれてから20年後の誕生日の前日の「終了をもって」、であるから、終了前のある時点について考えるのであれば、まだ19歳。

---
複雑なのですが、まとめてみましょう。

【人が○○歳になるのは、  生まれてから○○年後の誕生日の前日の終了をもって】
【人が○○歳になる「日」は、生まれてから○○年後の誕生日の前日】
です。

成人を迎えようとしている人がいたとして。
「誕生日の前日に20歳になる」からといって、
「誕生日の前日の途中の時点において20歳である」とはいえないのです。
なぜならば、「期間は、その末日の終了をもって満了する」(民法141条.)と定められていますから、終了のためには(20年という期間を数え終わるためには)期間の最終日の24時まで待たねばなりません。
お酒は少し待ってもらいましょう。。


このことは、判例(実際にあった裁判例)においても明らかにされています。
(わかりやすくするため、適宜省略したところは「......」で示し、括弧書きで西暦を補っています)

「明治45年(1912年)4月1日生れの者が満60才に達するのは、右の出生日を起算日とし、60年目のこれに応当する日の前日の終了時点である昭和47年(1972年)3月31日午後12時であるところ......日を単位とする計算の場合には......右終了時点を含む昭和47年(1972年)3月31日が右の者の満60才に達する日と解することができる」
(昭和53年1月30日東京高裁判決.)

「所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない」
(昭和54年4月19日最高裁判決.)

「原審」とか「原判決」は、上に掲げた昭和53年の東京高裁判決のことです。
最高裁も上記の判断を正当としましたから、最高裁が認めた考え方ということになります。
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# by yoridocoro | 2009-05-05 22:52 | 法律雑学

4月1日生まれは早生まれ

はじめまして。
「ものごとのよりどころ」では、「なぜそうなるのか」という世の物事の根拠や、法律雑学などについて書いていきます。
最初のテーマは「早生まれ」。

---
早生まれは、「その年の1月1日から4月1日までの間に生れること。また、その人。」(広辞苑)
同じ年の、3/31に生まれた人と4/1に生まれた人は同じ学年になります。
区切る境目が4/1と4/2の間になるのはなぜでしょうか。 

先に、忙しい人のための要点。
・6歳になった日の翌日以後の4/1から入学、がルール
・でも4/1生まれの人は4/1に6歳になるのではない。(3/31に6歳になる)
・それは、1年という期間が終わる3/31の24:00が、日としては「3/31」だとされているから。
・4/1生まれの人は3/31に歳を取り、4/2生まれの人は4/1に歳を取る。年度での区切りはここ。

---
「小学校の学年は、4月1日に始まり」(学校教育法施行規則59条.)、
http://bit.ly/vMNrqF
子どもは、「満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから」(つまり4月1日から)、小学校に就学することになっています。(学校教育法17条1項.)
http://bit.ly/sBbMQW

では、何歳に達したといえる、歳を取る日とはいつの時点か、という話になるのですが、
4月1日生まれの人は、ぐるっと回った次の誕生日の前日、3月31日に歳を取るとされています。
(誕生日である4月1日ではありません)

1歳歳を取るのに必要な期間は1年です。
「4月1日から1年」といったら翌年3月31日までとなります。
「4月1日から翌年4月1日まで」だったら、「1年と1日」という期間になってしまうはずです。(初日を数える計算です)
年齢計算の場合も、生まれた初日を数えますので、
4月1日生まれの人が歳を取るのは、「1年」という期間が満了する翌年の3月31日となります。
(「年齢は出生の日より之を起算す」(年齢計算に関する法律1条.))

なぜ、1年経過した4月1日ではないのか。
期間計算にもルールがあります。民法です。
年による期間は、最後の年の「起算日に応当する日の前日に満了」し(民法143条2項.)、
また、「その末日の終了をもって満了する」(民法141条.)と定められています。
http://bit.ly/uqKGOs
(「応当する日」というのは、その一定の日に対応する、別の週や月や年において同じ位置を占める日のことです。誕生日だったら別な年における「4月1日」のこと)
なので、1年という期間を数え終わるのは、3月31日(3月31日の24:00)なのです。
「前日に満了する」のはルールなのです。

もし。もしも、ルールの側で「当日に満了する」、例えば4月1日からであれば次の4月1日になった瞬間が1年間の数え終わり)なのだと定めたとしたら。
そうしたら、1年という期間を数え終わるのは、4月1日(4月1日の0:00)ですね。
それはそれでいいのですが、そのルールを使うと今度は、例えば6月1日から1か月間有効の定期券はいつまで有効ですか? という質問には「7月1日です(ただし7月1日0:00を過ぎたものは無効です)」という説明が正しいものとなってしまいます。
。。。やはり前日に満了するルールがスムーズなのでしょう。


ということで。
平成15年4月1日生まれの人は、平成21年3月31日に満6歳に達し、「翌日」の平成21年4月1日に小学校に就学することになり、
平成15年4月2日生まれの人は、平成21年4月1日に満6歳に達しますが、その「翌日」は4月2日ですから、それ以後の「4月1日」つまり平成22年4月1日に小学校に就学することになる、
というわけです。
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# by yoridocoro | 2009-05-05 10:30 | 法律雑学