- 法律雑学 - ものごとの根拠を探ります.                   (やっしー)
by yoridocoro
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刑法・刑訴法等改正の最近の主な動き

刑法・刑訴法等改正の最近の主な動きをまとめてみました。(内容の取捨選択は筆者によります)
年代順に概要を書いています。より詳しいことはリンク先などでご確認ください。


刑法・刑訴法。有期刑の上限引上げ(15年→20年)、集団強姦罪等の新設、各罪の法定刑の引上げ、強盗致傷罪の法定刑の引下げ(7年以上→6年以上)、公訴時効期間延長(死刑に当たる罪について15年→25年など ※ただし後に再改正)は、平成17年1月1日施行(16年法律第156号)。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00029.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16120041208156.htm

刑法。逮捕・監禁罪の法定刑引上げ(5年以下→7年以下)、生命・身体に対する加害目的の略取・誘拐罪の新設は、平成17年7月12日施行(平成17年法律第66号)。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00029.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16220050622066.htm

刑法・刑訴法。公務執行妨害罪・窃盗罪に選択刑として罰金刑新設(50万円以下)、業務上過失致死傷罪の罰金額引上げ(50万円→100万円)、略式命令の限度額引上げ(50万円→100万円)は、平成18年5月28日施行(18年法律第36号)。 
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00029.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16420060508036.htm

刑法・道交法。自動車運転過失致死傷罪の新設(懲役・禁錮の上限はいわゆる業過の5年に対し、7年)は、平成19年6月12日施行(19年法律第54号)。 救護義務違反(いわゆる「ひき逃げ」)の罰則強化(懲役の上限を5年→10年)は、平成19年9月19日施行(19年法律第90号)。
http://www.moj.go.jp/houan1/houan_houan37.html
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00029.html
http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku9/gaiyou.pdf
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16620070523054.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16620070620090.htm

刑訴法等。被害者参加制度(被害者や遺族が、裁判所の許可を得た上、刑事裁判の公判に出席し、証人尋問、被告人質問及び意見の陳述を行うことができる)、被害者国選弁護制度(前記の被害者参加を許された人のために、裁判所が被害者参加弁護士を選定し、報酬等を国がもつ)は、平成20年12月1日施行(前者につき平成19年法律第95号、後者につき平成20年法律第19号)。
http://www.courts.go.jp/saiban/wadai/2103_higaisya_songai.html
http://www.courts.go.jp/saiban/wadai/2103_higaisya_songai/
http://www.moj.go.jp/houan1/houan_houan37.html
http://www.moj.go.jp/houan1/houan_houan39.html
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00029.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16620070627095.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16920080423019.htm

少年法。少年の福祉を害する成人の刑事事件についての管轄移管(少年法37条を削除することにより、管轄は家庭裁判所から地方裁判所or簡易裁判所へ。またこれにより略式命令も可能へ)。この改正は、平成20年12月15日施行(平成20年法律第71号)。
http://www.moj.go.jp/houan1/houan_houan39.html
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00029.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/16920080618071.htm

刑訴法。被疑者に対する国選弁護制度は平成18年10月2日から始まっているところ、対象事件につき「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件」から「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」への拡大は、平成21年5月21日施行(平成16年法律第62号)。
http://www.houterasu.or.jp/houterasu_gaiyou/mokuteki_gyoumu/kokusenbengo/
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/iinkai/keizikisoku/pdf/06_06_06_sankou_siryou_02.pdf
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/iinkai/keizikisoku/pdf/06_06_06_sankou_siryou_01.pdf
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/80101026.pdf
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/15920040528062.htm

裁判員法。裁判員制度(無期以上などの重い罪の刑事裁判で、国民が刑事裁判に加わり、被告人が有罪かどうか・有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と共に決める。50の地方裁判所及び10の支部(立川,小田原,沼津,浜松,松本,堺,姫路,岡崎,小倉,郡山にて実施)は、平成21年5月21日施行(平成16年法律第63号)。
http://www.saibanin.courts.go.jp/shiryo/index.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/15920040528063.htm

刑訴法。人を死亡させた罪の公訴時効期間延長・改正(自動車運転過失致死について5年→10年など。また、死刑にあたるものは公訴時効の対象から除外、すなわち、施行時公訴時効が完成していない殺人事件等については、時間が経っても公訴時効にかかることがない)は、平成22年4月27日施行(22年法律第26号)。
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/houan43.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/17420100427026.htm

刑法。不正指令電磁的記録に関する罪の新設、わいせつ物頒布等の罪の構成要件拡充(「電磁的記録」や「電気通信の送信」を明示)、電子計算機損壊等業務妨害罪の未遂処罰。このいわゆるサイバー刑法の罰則は、平成23年7月14日施行(平成23年法律第74号)。

刑法。強制執行妨害罪等の処罰対象の拡充(偽計・威力を用いて、立入り、占有者の確認その他の強制執行の行為を妨害する行為、申立て妨害目的で申立権者又はその代理人に対して暴行・脅迫を加える行為等を処罰へ)は、平成23年7月14日施行(平成23年法律第74号)。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00025.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17705042.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/17720110624074.htm

(リンク切れにつき修正しました。2013.11.25)
 
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by yoridocoro | 2011-10-27 07:41 | 法律雑学

求刑について

求刑。
明鏡国語辞典第二版では
「刑事裁判で、検察官が裁判官に対して被告人に科せられるべき刑種や刑量について意見を述べること。また、その意見。」
とあります。
要は、検察官が「被告人にはこれくらいの刑が妥当だ」と意見をいうわけです。

検察官がする「求刑」は、法令に出てこない用語ですが、刑事訴訟法293条1項が「証拠調が終った後、検察官は、事実及び法律の適用について意見を陳述しなければならない」とするうちの、法律の適用についての意見と解されています。

判例は
「公判手続において…(刑罰法令)の適用実現を請求する検察官は…犯罪事実の存否に関する意見のみならず…これに相当する法条を指摘し且該事実に妥当する具体的刑罰の種類及び分量に関する意見をも陳述するのが当然であって、かゝる具体的な刑罰に関する意見がすなわち法律の適用についての意見に属するものである」
としています。
(昭和24.3.17最高裁判決.)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=56505&hanreiKbn=02


さて、「判決は求刑の8掛け」などと言われます。
(実刑判決の場合、懲役の量刑(刑の重さ)は、求刑の80%程度が目安との意)
では、裁判官がもっと重い刑が妥当だと考えた場合はどうなるのでしょうか。

検察官の求刑は、検察官の意見であって、これに裁判所が拘束されるものではありません。
ですので、求刑よりも実際の判決のほうが重い刑、というのは可能です。

最近では、裁判員裁判で、求刑を上回る判決をよく見かけるようになりました。
(例えば、平成23.9.15静岡地裁沼津支部判決. 求刑懲役13年・判決懲役15年.)
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000311109160001
ただこれは裁判員裁判に限って出現するものではなく、職業裁判官による裁判でも例は見られます。
(例えば、平成17.9.9大阪地裁判決. 求刑懲役2年・判決懲役3年.)
http://www2.asahi.com/special/050425/OSK200509090083.html

判例は
「裁判官は、検察官の求刑に拘束されるものでないこと言うを待たない。」
(上記昭和24.3.17最高裁判決.)
「裁判所は検事の事実上並に法律上の意見に拘束されるわけはないのであるから、判決が求刑より重い刑の言渡であっても、違法ではない」
(昭和24.10.11最高裁判決.)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=74804&hanreiKbn=02
としています。

決めるのは裁判官。検察官と裁判官とで事件に対する見方が大きく違うこともあるのですね。
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by yoridocoro | 2011-10-13 00:16 | 法律雑学