- 法律雑学 - ものごとの根拠を探ります.                   (やっしー)
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国家公務員の失職の例外

公務員は、執行猶予付きであっても、禁錮以上の刑が確定すれば失職するルールですが、
地方公務員については、条例の「特別の定め」という例外がありました。
では、国家公務員については、例外はあるのでしょうか。


結論を言うと、国家公務員には例外はありません。

「禁錮以上の刑に処せられ…執行を受けることがなくなるまでの者」、つまり禁錮刑の執行猶予中の者は、国家公務員の欠格事由にあたります。
(国家公務員法38条2号.)
そして、法はこう定めます。
「職員が第38条各号の一に該当するに至ったときは、人事院規則に定める場合を除いては、当然失職する。」
(国家公務員法76条.)

欠格事由に該当する者でも救済されるのかどうかは、人事院規則の定めにかかっているわけです。

ここで、人事院規則を見ると
「人事院規則8-12(職員の任免) 」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H21/H21F22008012.html
という規則があり、ここには
「失職」の定義「職員が欠格条項に該当することによって当然離職することをいう。」
(4条8号.)
が置かれ、また
失職の場合には「職員に人事異動通知書を交付しなければならない。」
(53条9号.)
ことが定められています。
しかし、このほかに失職に関する定めは置かれていません。

ですので、結局
『38条に定める事由に該当する場合であっても、「人事院規則に定める場合」には、失職しないことが予定されているが、この人事院規則は制定されていないので、失職の例外はない。』
 (鹿兒島重治ほか編『逐条 国家公務員法』601頁(学陽書房、1988))
「国家公務員の場合も、人事院規則で特例を定めることはできるが…そのような人事院規則は制定されていない。」
 (金子宏ほか編『法律学小辞典[第4版補訂版]』522頁(有斐閣、2008))
というわけです。

過失の罪での失職の実例として
日航機ニアミス事故の国土交通省航空管制官の例などがあります。
http://www.asahi.com/special/playback/TKY201012060090.html

 
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by yoridocoro | 2011-06-23 01:44 | 法律雑学

地方公務員の失職の例外

公務員は、執行猶予付きであっても、禁錮以上の刑が確定すれば失職するルールです。
さて。2011年5月、交通死亡事故を起こしたとして執行猶予付き禁錮刑が確定した地方公務員がおりました……が、失職になりませんでした。
なぜ失職しなかったのでしょうか。


「禁錮以上の刑に処せられ…その執行を受けることがなくなるまでの者」、つまり禁錮刑の執行猶予中の者は、地方公務員の欠格事由にあたります。
(地方公務員法16条2号.)
しかし。
さらに法はこう定めるのです。
「職員は、第16条各号…に該当するに至ったときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う。」 
(地方公務員法28条4項.)
「〜を除く」。ルールの例外、つまり、職を失わない特別の定めが条例にあるならばそちら優先、ということが法律のレベルで定められているわけです。


件の地方公務員は、兵庫県宝塚市の消防士だそうです。
「遺族嘆願 失職免れる 死亡事故起こした消防士」(産経新聞大阪本社)
http://www.sankei-kansai.com/2011/06/01/20110601-053489.php(リンク切れ)
http://blog.livedoor.jp/kotsu_jiko/archives/1594365.html


市の条例ではこう定めています。
「任命権者は、法第16条第2号に該当するに至った職員のうち、禁錮の刑に処せられ、その刑の執行を猶予されたものについては、その罪が過失の行為によるものであり、かつ、特に情状を考慮する必要があると認めるものに限り…その職を失わないものとすることができる」
(宝塚市 職員の分限の手続及び効果に関する条例5条1項.)
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/reiki_int/reiki_honbun/ak31601231.html

ここでの救済は、「禁錮の刑」「過失の行為によるもの」に限られています。やはり交通事故をイメージしているのでしょうね。
なお、交通事故であっても、酒酔いや救護義務違反(ひき逃げ)を伴う場合は、懲役刑に処せられることになり「禁錮の刑」とはなりませんから、この条例の基準では救済なしになります。

公務員は、懲役・禁錮の判決をもらったらもう職員ではいられない(当然失職)というのが原則であるわけですが、その例外が実際に存するのでした。

(国家公務員については次回ふれます.)
 
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by yoridocoro | 2011-06-22 00:43 | 法律雑学

公務員の失職

公務員が禁錮以上の刑に処せられると失職する、と言われます。
裁判で懲役や禁錮に処せられ、刑務所行きとなった公務員は、職員を続けることができません。
では、事情が考慮され、裁判官の判断で執行猶予が付いた場合はどうでしょうか。


結論をいうと、執行猶予付きの場合でも、禁錮以上の刑が確定すれば公務員は失職します。
(なお、罰金より禁錮のほうが重く、禁錮より懲役のほうが重い刑です(刑法10条1項.))

法は、公務員につき、欠格条項を掲げ
「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は(その)執行を受けることがなくなるまでの者」は、
「官職に就く能力を有しない」(国家公務員法38条2号.)
「職員とな…ることができない」(地方公務員法16条2号.)
としています。
職員としてふさわしくない、ということですから、職員となったのちに欠格条項該当となったとき、職員で居続けることはできず、失職します。(国家公務員法76条、地方公務員法28条4項.)


ここで、執行猶予付きの者の場合、「刑の執行を猶予」されているので、刑は執行されてはいないわけですが、上記の「(その)執行を受けることがなくなるまでの者」に該当するのです。
判例も(これは地方自治法に関するものですが)
『期間中に猶予の言渡を取消されるときはその時から新に言渡刑の執行を受くべき不安定の状態に在るものである。従って…猶予期間を経過する迄は刑の執行を受けることがなくなるとは言い得ないから執行猶予中の者は...「その執行を受けることがなくなるまでの者」に該当する』
としています。
(昭和23.5.27最高裁判決.)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57084&hanreiKbn=02


禁錮以上の刑の確定による失職。
公務員は、執行猶予をもらったので反省とともに引き続きその職場で頑張る、ということはできないのです。。

(若干の例外については次回ふれます.)
 
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by yoridocoro | 2011-06-18 18:05 | 法律雑学

条文の表示

法令の条文では、条(条文)の中で、内容に応じて複数の段落に分けることがあり、文章を切って別行にします。その分けられた段落が「項」です。
例えば、国民の祝日に関する法律を見てみます。
---
第三条  「国民の祝日」は、休日とする。
2  「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
---
『「国民の祝日」は、休日とする。』が「第3条第1項」であり、
『「国民の祝日」が日曜日に当たるときは……』が「第3条第2項」ということです。


そして。実際の条文の表示について、裁判所では、「第3条第2項」ではなく「3条2項」の形が通例です。
「第」が繰り返されるくどさの回避や、入力の簡便さからでしょうか。
ただ、これには例外があります。
条文に枝番号が付くときは、例外的に「地方自治法242条の2第1項3号」の形で、最小限の「第」を用いるのです。一つだけ。
「第」を用いないならば「地方自治法242条の2 1項3号」と、スペース入り表記になるでしょうが、それもちょっとまぎらわしいですものね。

この実例として、平成22年1月20日最高裁大法廷判決などがあります。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=38347&hanreiKbn=02
 
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by yoridocoro | 2011-06-16 07:40 | 法律雑学