- 法律雑学 - ものごとの根拠を探ります.                   (やっしー)
by yoridocoro
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<   2009年 05月 ( 4 )   > この月の画像一覧

19歳で選挙権

年齢計算の話をもう少ししてみます。

先に、忙しい人のための要点。
・選挙の投票日の翌日が20歳の誕生日であるとき、投票する「時点」で19歳のその人にも選挙権がある。
・それは、「日」単位で見れば、20歳の誕生日前日が「20歳に達する日」であり、選挙権取得の日となるから。

---
5/5の記事でも書きましたが、
【人が20歳になるのは、生まれてから20年後の誕生日の前日の終了(午後12時)をもって】
です。
20回目の誕生日前日の午後8時の時点だったら、まだ19歳ということになります。

でも。選挙については、20回目の誕生日前日に行われる選挙では投票ができます。
例えば、平成21年7月12日投票の東京都議会議員選挙では、年齢要件が
「平成元年7月13日までに生まれた方」
となっています。
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2009/20090621/p3.htm
(三鷹市ホームページ)

投票時点ではまだ19歳なのに、なぜ選挙権があるのでしょうか。
それは、人が20歳になるタイミングの、
【生まれてから20年後の誕生日の前日の終了(午後12時)をもって】が、「日」を単位とする場合には
【生まれてから20年後の誕生日の前日】
となるからです。
タイミングが別なところにスライドしているわけではなく、何の単位で見るのかという視点が変わることで、評価・判断が変わるということです。


判例ではこう言っています。(適宜省略したところは「......」で示します)

「年令の計算については......一般的には満20年の始期については出生の日を一日として計算し、終期は20年後の出生の日に応当する日の前日の終了(正確には午后12時の満了)をいうのであるが、
......公職選挙法10条2項において、年令は選挙の「期日」により算定すると規定されており、この被選挙権に関する規定は選挙権についても類推適用される」
「公職選挙法9条2項の「年令満20年以上」とは、選挙権取得の始期を定めるものであり、「満20年に達した時」または 「満20年を超えるとき」と異なり、満20年に達する日をもって選挙権取得の始期と定めた趣旨であるとみられるから、満20年に達する前示出生応当日の前日の午後12時を含む同日午前0時以降の全部が右選挙権取得の日に当るものと解することができる。」
「昭和34年4月9日に出生した者は20年後の出生応当日の前日、すなわち昭和54年4月8日の終了を待たないで、同日の始時から選挙権を取得する」
(昭和54年11月22日大阪高裁判決.)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=22352&hanreiKbn=03

実は、総務省や各自治体のウェブページでは
「20年目の誕生日の前日の午前0時から満20歳とされます。」という説明文が多いのですが、
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo02.html#chapter1 など)
これは
「(選挙権をもつために備えていなければならない条件の解釈としては)」とか
「(公職選挙法9条2項における「満20年以上」の解釈としては)」を補わないと誤解を招きそうです。
ネットの中には、選挙に関係なく『誕生日の前日の0時になった瞬間に満年齢が増える』と書いている例もありますが、それは行き過ぎで、誤解です。

もういちど上記の判例を見てみます。裁判所としては
・公職選挙法は、
 「満20年に達した時」と異なり、
 「満20年に達する日」をもって選挙権取得の始まりと定めたのだ、
と言っているわけです。
 満20年に達する時とは20年目の誕生日前日の午後12時が原則。そのルールは重々わかっているけれども、選挙の年齢については、その誕生日前日午後12時ルールは使わないで、「日」を単位とする計算をするのだ、と。

となれば、必要な評価・判断は次のようなものになるでしょう。
・選挙権のため年齢を判断する基準は「期日」
・選挙が行われる「期日」が平成21年7月12日のとき、その日に選挙権を取得する者は、「期日」現在で選挙権がある
・平成21年7月12日が「満20年に達する日」である者は、その日に選挙権を取得する
・平成21年7月12日が「満20年に達する日」である者は、平成元年7月13日生まれの者である
(「期日」現在で、平成元年7月13日生まれの者は20歳だし、平成元年7月14日生まれの者はまだ19歳)

「期日」で見るのならば、時間は関係ないですものね。

「時」なのか「日」なのか。何の単位で見るものなのかという視点が大いに大切なのです。
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by yoridocoro | 2009-05-11 02:55 | 法律雑学

振替休日

ゴールデンウィーク。2009年の5/6は振替休日です。

先に、忙しい人のための要点。
5/2、3、4、5が土・日・月・火となるとき。
1998年に、この曜日の並びだったときは、5/6(水)は平日でした。
2009年も、曜日の並びは同じですが、5/6(水)は振替休日です。
祝日法が変わったからですね。

---
11年前の1998年。
5/2、3、4、5は、土・日・月・火 という並び。
5/3〜5の内訳は、祝日(憲法記念日)ー振替休日ー祝日(こどもの日)でした。
このとき、真ん中の5/4は、「国民の祝日」ではありませんでしたし、
また「国民の休日」でもありませんでした。

「その前日及び翌日が「国民の祝日」である日は、休日とする」というルールは知られていましたが、そのはさまれた日が日曜日や振替休日になるときは、その日曜日や振替休日が優先となり、祝日サンドイッチによる休日ルールは使われない、ということはやや知られていなかったように思います。
(この5/4を「国民の休日」と表現している例もときどき見かけました)

イメージを示すと
2 3 4 5
土 日   祝
  祝→振     という感じですね。

当時、振替休日は、5/4(月)を休日にする働きをするのみで、5/6(水)への影響は何もありませんでした。


対して、2009年。
5/2、3、4、5は、同じく、土・日・月・火 という並び。
5/3〜5の内訳は、祝日(憲法記念日)ー祝日(みどりの日)ー祝日(こどもの日)です。
真ん中の5/4が「みどりの日」としてちゃんと祝日になったのは、2007年(平成19年)から。

こちらのイメージは
2 3 4 5 6
土 日 祝 祝
  祝→→→→→振   こんな感じ。

5/3〜5の三日間はすべて祝日となりましたから、日曜日と重なって発生した振替休日は行き場を探します。
国民の祝日に関する法律(祝日法)3条2項は、
「『国民の祝日』が日曜日にあたるときは、その日後においてその日に最も近い『国民の祝日』でない日を休日とする。」
http://bit.ly/v5Xu8D
としています。
2009年は、5/3が祝日でかつ日曜日。5/4以後で最も近い「国民の祝日」でない日は、5/6(水)ですね。
ここが振替休日となります。

この点は、2007年にルールが変わったものです。(改正祝日法は平成19年1月1日施行.)
それより前は
「『国民の祝日』が日曜日にあたるときは、その翌日を休日とする。」
と定められていました。
この定めのままだと、振替休日は、「日曜日の翌日」つまり月曜日にしか出現しないことになりますものね。

新ルールなら、5/3〜5の三日間の祝日、そのいずれかの日が日曜日のとき、確実に5/6が振替休日となるわけです。
しっかり対応してくれた国会議員さんに感謝。
 
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by yoridocoro | 2009-05-06 10:05 | 法律雑学

年齢計算

歳を取るのはいつか、の話をもう少ししたいと思います。

先に、忙しい人のための要点。
・人がハタチになる日は、生まれてから20年後の誕生日の前日だけれども、その誕生日前日のお昼どきに「もうハタチだからお酒飲んでいいか」というと×で、その時点で見ればまだ20歳にはなっていない。
・ハタチになるのは、生まれてから20年後の誕生日の前日の「終了をもって」、であるから、終了前のある時点について考えるのであれば、まだ19歳。

---
複雑なのですが、まとめてみましょう。

【人が○○歳になるのは、  生まれてから○○年後の誕生日の前日の終了をもって】
【人が○○歳になる「日」は、生まれてから○○年後の誕生日の前日】
です。

成人を迎えようとしている人がいたとして。
「誕生日の前日に20歳になる」からといって、
「誕生日の前日の途中の時点において20歳である」とはいえないのです。
なぜならば、「期間は、その末日の終了をもって満了する」(民法141条.)と定められていますから、終了のためには(20年という期間を数え終わるためには)期間の最終日の24時まで待たねばなりません。
お酒は少し待ってもらいましょう。。


このことは、判例(実際にあった裁判例)においても明らかにされています。
(わかりやすくするため、適宜省略したところは「......」で示し、括弧書きで西暦を補っています)

「明治45年(1912年)4月1日生れの者が満60才に達するのは、右の出生日を起算日とし、60年目のこれに応当する日の前日の終了時点である昭和47年(1972年)3月31日午後12時であるところ......日を単位とする計算の場合には......右終了時点を含む昭和47年(1972年)3月31日が右の者の満60才に達する日と解することができる」
(昭和53年1月30日東京高裁判決.)

「所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない」
(昭和54年4月19日最高裁判決.)

「原審」とか「原判決」は、上に掲げた昭和53年の東京高裁判決のことです。
最高裁も上記の判断を正当としましたから、最高裁が認めた考え方ということになります。
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by yoridocoro | 2009-05-05 22:52 | 法律雑学

4月1日生まれは早生まれ

はじめまして。
「ものごとのよりどころ」では、「なぜそうなるのか」という世の物事の根拠や、法律雑学などについて書いていきます。
最初のテーマは「早生まれ」。

---
早生まれは、「その年の1月1日から4月1日までの間に生れること。また、その人。」(広辞苑)
同じ年の、3/31に生まれた人と4/1に生まれた人は同じ学年になります。
区切る境目が4/1と4/2の間になるのはなぜでしょうか。 

先に、忙しい人のための要点。
・6歳になった日の翌日以後の4/1から入学、がルール
・でも4/1生まれの人は4/1に6歳になるのではない。(3/31に6歳になる)
・それは、1年という期間が終わる3/31の24:00が、日としては「3/31」だとされているから。
・4/1生まれの人は3/31に歳を取り、4/2生まれの人は4/1に歳を取る。年度での区切りはここ。

---
「小学校の学年は、4月1日に始まり」(学校教育法施行規則59条.)、
http://bit.ly/vMNrqF
子どもは、「満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから」(つまり4月1日から)、小学校に就学することになっています。(学校教育法17条1項.)
http://bit.ly/sBbMQW

では、何歳に達したといえる、歳を取る日とはいつの時点か、という話になるのですが、
4月1日生まれの人は、ぐるっと回った次の誕生日の前日、3月31日に歳を取るとされています。
(誕生日である4月1日ではありません)

1歳歳を取るのに必要な期間は1年です。
「4月1日から1年」といったら翌年3月31日までとなります。
「4月1日から翌年4月1日まで」だったら、「1年と1日」という期間になってしまうはずです。(初日を数える計算です)
年齢計算の場合も、生まれた初日を数えますので、
4月1日生まれの人が歳を取るのは、「1年」という期間が満了する翌年の3月31日となります。
(「年齢は出生の日より之を起算す」(年齢計算に関する法律1条.))

なぜ、1年経過した4月1日ではないのか。
期間計算にもルールがあります。民法です。
年による期間は、最後の年の「起算日に応当する日の前日に満了」し(民法143条2項.)、
また、「その末日の終了をもって満了する」(民法141条.)と定められています。
http://bit.ly/uqKGOs
(「応当する日」というのは、その一定の日に対応する、別の週や月や年において同じ位置を占める日のことです。誕生日だったら別な年における「4月1日」のこと)
なので、1年という期間を数え終わるのは、3月31日(3月31日の24:00)なのです。
「前日に満了する」のはルールなのです。

もし。もしも、ルールの側で「当日に満了する」、例えば4月1日からであれば次の4月1日になった瞬間が1年間の数え終わり)なのだと定めたとしたら。
そうしたら、1年という期間を数え終わるのは、4月1日(4月1日の0:00)ですね。
それはそれでいいのですが、そのルールを使うと今度は、例えば6月1日から1か月間有効の定期券はいつまで有効ですか? という質問には「7月1日です(ただし7月1日0:00を過ぎたものは無効です)」という説明が正しいものとなってしまいます。
。。。やはり前日に満了するルールがスムーズなのでしょう。


ということで。
平成15年4月1日生まれの人は、平成21年3月31日に満6歳に達し、「翌日」の平成21年4月1日に小学校に就学することになり、
平成15年4月2日生まれの人は、平成21年4月1日に満6歳に達しますが、その「翌日」は4月2日ですから、それ以後の「4月1日」つまり平成22年4月1日に小学校に就学することになる、
というわけです。
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by yoridocoro | 2009-05-05 10:30 | 法律雑学