- 法律雑学 - ものごとの根拠を探ります.                   (やっしー)
by yoridocoro
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無期懲役と懲役30年

現状、無期刑(無期懲役)を受けた人は、在所30年以内には社会に出てきていません。
(前記事をご参照ください.)

在所期間の長期化については、途中での法改正がありました。

有期刑上限が15年 →20年に、
併合罪等加重がある場合の有期刑上限が20年 →30年に、
死刑・無期刑から有期刑に減軽した場合の有期刑上限が15年 →30年に、
それぞれ引き上げられたのは、2005年(平成17年)のことです。

平成18年版 犯罪白書 第6編/第3章/第3節/1
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/52/nfm/n_52_2_6_3_3_1.html
刑法等の一部を改正する法律案新旧対照条文(法務省)
http://www.moj.go.jp/content/000008309.pdf (PDF)

そうして、無期刑仮釈放許可になった者の在所期間はどんどん長くなっていきます。

平成17年版 犯罪白書 2-5-2-5図
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/51/image/image/h002005002005e.jpg
平成18年版 犯罪白書 2-5-1-3表
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/52/image/image/h002005001003h.jpg
平成26年版 犯罪白書 2-5-1-3表
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/61/nfm/images/full/h2-5-1-03.jpg


無期刑仮釈放。前は在所10数年で社会に出てきていた時代もありました。
さて「無期懲役」と「懲役30年」では、どちらが重いのでしょう?

法律でははっきりしています。
「死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑と…する。」(刑法9条.)
「主刑の軽重は、前条に規定する順序による。ただし、無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑と…する。」(刑法10条1項.)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html

  懲役>  禁錮
無期懲役>無期禁錮
     無期禁錮>有期懲役 ですから
無期懲役     >有期懲役 です。(左が重い刑。「懲役30年」は有期懲役です.)

裁判例としてはどうでしょうか。
平成18.10.25大阪高裁判決は、一審の懲役30年を「軽きに失した」として破棄し、無期懲役を言渡しています。
また平成22.6.15大阪地裁判決は、「被告人を無期懲役に処するという選択も十分あり得る」としつつ、「一部とはいえ,複数の被害者との間で示談が成立」「前科関係やその性格傾向等からして,更生の可能性も十分残されている」などとして懲役30年を言い渡しています。

裁判所ウェブサイト
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=80478

いずれを見ても、
懲役30年は、無期懲役よりも軽いと言えるでしょう。
 
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by yoridocoro | 2015-06-19 01:08 | 法律雑学
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