- 法律雑学 - ものごとの根拠を探ります.                   (やっしー)
by yoridocoro
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求刑について

求刑。
明鏡国語辞典第二版では
「刑事裁判で、検察官が裁判官に対して被告人に科せられるべき刑種や刑量について意見を述べること。また、その意見。」
とあります。
要は、検察官が「被告人にはこれくらいの刑が妥当だ」と意見をいうわけです。

検察官がする「求刑」は、法令に出てこない用語ですが、刑事訴訟法293条1項が「証拠調が終った後、検察官は、事実及び法律の適用について意見を陳述しなければならない」とするうちの、法律の適用についての意見と解されています。

判例は
「公判手続において…(刑罰法令)の適用実現を請求する検察官は…犯罪事実の存否に関する意見のみならず…これに相当する法条を指摘し且該事実に妥当する具体的刑罰の種類及び分量に関する意見をも陳述するのが当然であって、かゝる具体的な刑罰に関する意見がすなわち法律の適用についての意見に属するものである」
としています。
(昭和24.3.17最高裁判決.)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=56505&hanreiKbn=02


さて、「判決は求刑の8掛け」などと言われます。
(実刑判決の場合、懲役の量刑(刑の重さ)は、求刑の80%程度が目安との意)
では、裁判官がもっと重い刑が妥当だと考えた場合はどうなるのでしょうか。

検察官の求刑は、検察官の意見であって、これに裁判所が拘束されるものではありません。
ですので、求刑よりも実際の判決のほうが重い刑、というのは可能です。

最近では、裁判員裁判で、求刑を上回る判決をよく見かけるようになりました。
(例えば、平成23.9.15静岡地裁沼津支部判決. 求刑懲役13年・判決懲役15年.)
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000311109160001
ただこれは裁判員裁判に限って出現するものではなく、職業裁判官による裁判でも例は見られます。
(例えば、平成17.9.9大阪地裁判決. 求刑懲役2年・判決懲役3年.)
http://www2.asahi.com/special/050425/OSK200509090083.html

判例は
「裁判官は、検察官の求刑に拘束されるものでないこと言うを待たない。」
(上記昭和24.3.17最高裁判決.)
「裁判所は検事の事実上並に法律上の意見に拘束されるわけはないのであるから、判決が求刑より重い刑の言渡であっても、違法ではない」
(昭和24.10.11最高裁判決.)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=74804&hanreiKbn=02
としています。

決めるのは裁判官。検察官と裁判官とで事件に対する見方が大きく違うこともあるのですね。
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by yoridocoro | 2011-10-13 00:16 | 法律雑学
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